銃声
自宅マンション前で、今まさに銃声のような音と怒号がとびかっていると連絡を受けた。
連勤明けで疲れ切っていた身体だが、連絡を受けた瞬間、確かに私は高揚している。
先週読んだ、銃を手にした彼が、遂に発砲したのならば嬉しい。
大型台風が接近してきている。
観測史上最大の大雪が降る。
明日からインフルエンザで学級閉鎖がおこる。
小学生の頃、こんなことで同じく高揚感を得ていたのだと思う。
今思うことといえば、明日の時刻表のことばかりである。
学級閉鎖と銃声。
私の生きた経験の差はあれど、これは非日常的展開。
ルーティーンがとにかく苦手な私からすると、この非日常的展開はラッキーチャンス、ボーナスタイムなのだ。
そして私は流行り熱にうなされながら、はしゃいでいたことを後悔する。
何はともあれ。
銃声と怒号など怖くて仕方がない。
なんで銃声と怒号が私の日常に干渉してくるんだ。怖くて仕方がない。
これっぽっちも死にたくないし、せめて死ぬならば連勤最終日の夜ではなく連勤初日だろ。
銃声も怒号も台風も大雪もインフルエンザも全部怖くて仕方がないよ。
警察が出動してきたようなので、帰ります。